リアリストだからの「伸びしろ」
オープン前、ふたりが描いていた理想の店は、カウンターが長く、立ち飲みスペースもあって、知らないお客同士でも盛り上がれるような雰囲気。
「船で海外をまわってるとき、バーカウンターでビール片手に立ち話に夢中になっていたり、初対面で自然にナンパしたり仲良くなれるような雰囲気があって、そういう風通しのいい空間ができればいいなあって」と知津さん。
現実はカウンターに4席、立ち飲みスペースはいまのところ実現できていない。
「欲をいえばキリがないけど、わたしの持ち場はパン。だから、お酒に合うパンというコンセプトをもっと追求したいし、お客さんからこんなパンが食べたいとリクエストされたら、可能なかぎりお応えしたい。最近、近所の飲食店の方がパンを買いに来てくれることも増えていて。ゆくゆくは野毛の飲食店で扱うパンは全部[YO-HO]の、となるのが目標。野望というか(笑)」と頼もしい朋子さん。それを受けて知津さん。
「ありがたいことに建部のパンは確実にファンを増やしている。彼女が“もの”にこだわるように、わたしは提供する“雰囲気・スペース”にこだわっている。おいしいお酒、おいしい時間って出会ったシチュエーションに左右されるから、ストーリーを語れないと伝わらないと思う。わたしはワインのウンチクは語れないけど、航海が終わって、船のデッキで司厨長(船のコック)と交互にラッパ飲みした安いウイスキーのおいしさだったら嫌味なく伝えられる。凍える寒さの夜に屋台のコップ酒の燗がやたらうまい、ってことあるじゃないですか。そういうリアルな実感」
ふたりは夢を抱きつつも、現実路線をしっかり見据えられるリアリストなのだ。開店から1年足らず。この先どんな店に進化するか、自分たちも未知数だという。でも、わたしたちは予感している。伸びしろは大きいぞ、と。
Bakery&Bar YO-HO
- 住所:神奈川県横浜市中区宮川町2-55-1 ルリエ横浜宮川町104
- 電話:070-5467-8183
- 営業時間:
17:00〜24:00(L.O.23:00)
日・月休み - 加藤さんが綴るブログ「YOHO pirates’ mess」 めっぽう面白い。